![ちゅぎ](https://tanutanuland.com/wp-content/uploads/2021/10/21078a5f5469c52d68957d3b3dccccd0.jpg)
たぬー。たぬー。目安箱にお手紙来てるのー!
![たぬ](https://tanutanuland.com/wp-content/uploads/2021/10/57318389-F598-4005-B266-BA168A48DAA9.png)
はわわっ! 読んでみましょー!
やー! たぬだよー!
たぬたぬらんどの支配人のお仕事は多岐に渡るの。
いろんな種族のこたちが働くから、トラブルの未然防止のために
各エリアには従業員のための目安箱を設置してるの!
デリケートなお悩みはたぬが直接お話聞いたり
こうして目安箱に入っているお便りは軽いものが多いから、たぬたぬらんどのSNSでお悩みシェアしたりするのー!
ひとりが悩んでることは、みんなも悩んどー!
従業員のお悩みはたぬたぬらんどの大切な財産なのー!
だから、プライバシー保護の範囲内で貴重なお悩みを個人で終わらせねーで
たぬたぬらんど全体で共有させてもろとー! 情報は横展開なの!
お夕飯の献立から、時に長きに続くリボ払いからの脱出方法まで、みんなで考えていきましょー!
さて、今日のお悩みはー?
たぬ支配人
お疲れ様です。
最近、お仕事終わりにねこたちの間で漫画を読むことが流行っています。
たぬ支配人が読んで面白かった漫画を教えてください。
よろしくお願いします!
たぬたぬらんど ねこちゃんずエリア目安箱に投函されたお手紙より
ふむ。なるほど、なるほど。
きょのお悩みは漫画で、なにかおすすめはねーかなー? ってお悩みなの。
おけー! 答えてくよー!
・ワクワクする漫画を探している人類
・ロードマップという単語にココロオドル人類
・科学を駆使した友情・努力・勝利という言葉に惹かれる人類
・シヴィライゼーションやシムシティみたいな箱庭ゲームに熱中したことのある人類
ロードマップっていうのは工程表(ないし行程表)のようなものなの。
味噌汁を作るには味噌やだし、豆腐やわかめが必要なように
あるものを作るために必要な道具や工程をわかりやすく図にしたものなの。
たぬはこれがとてもすっき! ロードマップ眺めてはとってもニコニコしちゃうの。
シヴィライゼーションやシムシティは、いわゆる箱庭ゲームなの。
文明の指導者となって、国を発展させていったり、街をつくってみたり
時間泥棒なおげーむなの。
今日、紹介する漫画は、こういうたぬの好きな要素を全て兼ね備えた漫画なのー!
![](https://tanutanuland.com/wp-content/uploads/2021/11/eliott-reyna-jCEpN62oWL4-unsplash-1024x575.jpg)
たぬたぬらんどの支配人として、最初に感想を書く漫画はこれなの。
人類史と人類知の深い敬意、生命への畏敬を感じさせる傑作漫画。
Dr.STONEなの! 原作:稲垣理一郎 作画:Boichi。
この漫画のあらすじは
ある日突然、謎の光線によって地上の全人類、石になるの!
はい、終了ー! 人類は滅亡しました!
……とはならねーところがこの漫画のすごいところなの。
ミロのヴィーナス、ミケランジェロのダビデ像、ロダンの考える人。
有名な石像、彫刻は数あれども生きた人間がそのまま石になる。なかなかショッキングなシーンから開始なの。
掴みはバッチリなの。これだけでもう続きが読みたくなってしまうの。
人類の石像が乱立するディストピアから、3700年後の世界で物語は始まっていくの。
それまで活動していた人類の一切が石になったということは、当然世界中のインフラは消滅するの。
電気、水道、道路、通信、その他諸々のインフラが消滅し、大自然に覆われた世界。
原発はどうなったとか、地震雷火事親父を始めとする諸問題はさておき。
主人公はそんな世界で目を覚ますの。
序盤で広げられた高校での一幕。
語弊を恐れずにいうのであれば、よくある青春群像劇そのままに、数ページ後には孤独と絶望極まりない大自然。
たぬはまず、この落差に胸をうたれたの。
圧倒的な時間と自然の前には、なんと人類の積み上げてきたものは無力であるのかと
目頭が熱くなってしまったの。
理不尽な石化、崩れ去る建設物。一切の自由を奪われた人類。
ただただ過ぎる時間。
この時間の牢獄ともいうべき地獄は、想像するだに恐ろしいの。
一体、なにゆえこのような苦しみを味わわねばならぬのか……!
そんなディストピアも主人公の目覚めによって、全くのブルーオーシャンに変わるの。
人類の反撃の狼煙! 人類の積み重ねた知識と技術は、決してなくなったわけじゃないぞと
実に清々しい、断乎としたNOを叩きつけてくれたの。
石器時代から、一気に突き進む文明の加速度はまさに歴史の教科書をめくったような
学びを得られるの。しかし、そこには当然大自然の障害もあり、決して退屈はしないの。
科学を武器に少年たちが試行錯誤し、障害を克服する様は週刊少年ジャンプの基本原則
『友情・努力・勝利』もしっかり踏襲していて、たぬの少年の心も熱く燃え上がったの!
ファンタジーに化学で勝ってやんぞ
唆るぜ これは…!
原作 稲垣 理一郎,作画 Boichi 『Dr.STONE』1巻 株式会社集英社.2017.82頁
主人公 千空ちゃんの発言なの。
生活基盤を失い、ほとんど孤立無援のなか、呟くように出たセリフなの。
ここに主人公の力強さ、暗闇の荒野を切り裂いていくようなフロンティアスピリットを
感じる独白なの。タフ。とても素晴らしいタフガイなのー!
![たぬ](https://tanutanuland.com/wp-content/uploads/2021/10/57318389-F598-4005-B266-BA168A48DAA9.png)
やるじゃん、人類。やるじゃん、科学! もっと学びてーの!
読了後はそんな知識欲と、一服の清涼をもたらしてくれるはずなのー!
![](https://tanutanuland.com/wp-content/uploads/2021/11/laboratory-g241f4a749_1920-1024x683.jpg)
主人公の石神 千空ちゃんはそのクールで聡明な頭脳をもって3700年、意識をたもったまま
暦を数えてたの。さらっと書かれているけれど、これだけでもうチートなの。
他の人類は、意識保てなくて気絶? 寝てるような状態なの。
ほとんど人間離れした精神力と忍耐力なの。充分な主人公力を感じるのー!
主人公の大木 大樹ちゃんは情熱の男なの。真っ直ぐで、偽りがなく、仲間のために体を張れる。
正直言って、少年漫画には彼のような存在が必須といえるの。
大樹ちゃんは登場するだけで、太陽のように場の雰囲気が和やかになるの。
千空ちゃんと大樹ちゃん、序盤のこの二人のタッグは、実に週刊少年ジャンプらしい
ワクワク感と情熱、清々しさをもたらしてくれたの。
プロメテウスに火を与えられ、人類は目覚ましい発展を遂げてきたの。
だけども、そこには科学の功罪。負の側面も必ずあるの。
科学のもたらす福音、崩壊した世界を照らす明けの明星。光の眩さにばかりを見ていてはならねーの。
光は影を生む。そして、それぞれが掲げる理想は必ずしも同じ方向を向くとは限らねーの。
この『Dr.STONE』1巻中盤には登場人物は3人に増え、互いに力を合わせて頑張るんだけれど
やはり、3人集まれば、集団。イデオロギー(ここでは単に思想、考え方の意味で使用)の対立も、やむなしなの。
詳しい対立理由はここでは述べねーけれど、どちらのいうことも一理あるの。
むしろ、対立することでこの物語を進ませたという見方もできると思うの。
悲しいかな、争いは起こりうるの。
無論、主人公:石神 千空、
主人公の親友:大木 大樹
……そして霊長類最強の男子高校生:獅子王 司
いずれも素晴らしい好漢はあることは、ここまで読んだ諸兄ならば、疑う余地もねーと思うの。
目覚めたのがこの3人でなければ、大自然の脅威から生存し得なかったの。
クール、情熱とくれば、ここに加わるエッセンスはダーク。
そもそも、仲良く手を取り合って文明の再興を目指すのでは、あまりに単調といえるの。
そこで登場するのが獅子王 司ちゃんなの。
肉体的な強さと知性を併せ持ったダークヒーロー、それが彼なの。
このデンジャラスな登場人物によって、物語は動き出したともいえるの。
昨今のご都合主義とは一線を隠す、人間模様が織りなすドラマこそ、たぬが引き込まれた理由でもあるの。
1巻終盤では人類の歴史がそうであったように、化学の鉄槌『火薬』を作ることを千空ちゃんは決断するの。
石器の時代に、火薬を作る。
字句の上では、付して笑われそうなことだけれど、千空はそれを実現しようとする……!
というところで、1巻は終わるの。
大変続きが気になりー!
石器時代から火薬の生産まで、単行本1冊でいくのはすげーと思うの。
火薬といえば、羅針盤、活版印刷術にならぶ三大発明の1つなの。
これらの発明はいずれも中国で生まれで、ヨーロッパに改良されてひろまったの。
この辺りはネット小説の内政チートでもお馴染みのやつなのー!
ルネサンス期における火薬・羅針盤・活版印刷術の発明・普及をさす。
『名数数詞辞典』、『日本国語大辞典 第6巻さこう-しゅうひ』より 提供館 大阪市立中央図書館調べ
いずれも中国起源のものだが、ヨーロッパで改良・実用化されたもの
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000057255
そうそう。
今はGoogle検索でさくっと調べられるけれども、人の力と頭脳で検索してくれるレファレンス協同データベースも
とても質のよい資料を提供してくださるの。たぬ、すっき!
図書館のレファレンスカウンター(レファレンスコーナーとも。利用者の調べ物のお手伝いをしてくださる、調査のプロなの)調べたいことを尋ねると関連書籍を教えてくれるの。
たぬたぬらんどのお友達も、『Dr.STONE』で興味をもったテクノロジーについて調べるとすると
これはもう膨大で難解な書籍に挑戦することになるの。
例えば、最後にでてきた『火薬』。火薬の起こりなのか、火薬の活用方法なのか。はたまた黒色火薬やダイナマイトの違いについて知りたいのか。より仔細に知ろうとすれば、検索の難易度も跳ね上がるの。特にインターネットは真偽定かならぬ資料も多々あるの。
そこでレファレンスカウンターを訪ねていくと、資料の探し方についてアドバイスをくれたり
より平易な資料の紹介をしてくれたりするの。日本中のレファレンスライブラリアンが利用者の力になってくれるの。お世話になっておりますなのー!
……む、これは話が大幅にそれとー!
と、ということで今回は週刊少年ジャンプから『Dr.STONE』1巻についてお話ししたの!
たぬは学校の図書館においてもいーと思うくらい、科学に対して興味を抱くに足る
素晴らしいサイエンスフィクションと思ったの。
アニメ化もされてるから、気になる方はアニメから入ってみてもいーと思うの!
こちらは所々、補足が入っていて原作がよりわかりやすいの!
ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』、H・G・ウェルズ『タイムマシン』、稲垣理一郎、Boichi『Dr.STONE』
うん。違和感ねーの! 夏休みの読書感想文はこれで決まりなのー!
子どもはもちろん、大人にも読んでほしい漫画なの。先の見えない展開に、ワクワクなのー!
ここから、世界に羽ばたくサイエンティストが生まれることを願って、この記事を終えるのー!
![ちゅぎ](https://tanutanuland.com/wp-content/uploads/2021/10/21078a5f5469c52d68957d3b3dccccd0.jpg)
ちゅぎもおすすめなのー!
読んでくれてありがとうございますなのー!